アクエリアンエイジSS
望みの舞


大変なことになった



私にはとても大切な親友がいる
その親友が仔犬を拾ってきた、親友はマンション暮らしだったため一戸建ての私の家につれてきた
そこまではよくある話
ただ、その親友は人よりも少しずれていた・・・少しじゃあないかもしれない


フェンリルが捨てられた
正しくは捨てられる前に自分で出て行った
その経緯はこんな感じだ

私の家、結城家で私たちは暮らしていた、もちろん家族にはナイショで
幸い、みんな家にいることが少なく、家に帰ってきたときもかくれんぼが得意と自称するフェンリルを見つけることはなかった
結城家はE.G.O.の家、そしてフェンリルはダークロア
見つかったら大変なことになる、フェンリルは大きな力を秘めているみたいだから何をされるか分からない
だから細心の注意を払ってきた、誰かが探そうとしなければ見つかることはなかった
失敗は単純、フェンリルの毛が父のスーツに付いていた
兄が帰ってきていたときのかくれんぼのときに付いたものだと思う
私が父が気が付いてることを知ったのは偶然テレパスの制御に失敗したから
私のテレパスは能力者といえども心に入ることができる
私はフェンリルを捕獲するための計画の日時も知った、それは自分からテレパスを行使して知った
そしてすぐにフェンリルを逃がすための行動に入る
食べ物や衣服はちゃんと持たせないと・・・・そう思って準備している間にいなくなっていた
野生の感と言うものだろうか、私は何も言っていなかった


歩いた、歩いた、ただ遠くへ歩いた
あの家にいたら望に迷惑がかかる、そう感じたからあの家を出た
お腹も空く、寝る場所もない、雨をしのぐのも一苦労
でも望には迷惑をかけたくないから
遠くへ、遠くへ歩いた
でもなんにも食べないで、ちゃんと寝ないで歩き続けるのも疲れた
だから少しだけお休みなさい


学校の帰りに仔犬を拾った
かわいいけどなんだかすごく汚れてた、それにお腹も空いてるみたいだった
だから家に連れて行って洗ってごはんを食べさせてあげようとしたけど家はマンションだった
だからお友達の家に連れて行った、けっこう重かったけどちょっと工夫をすれば簡単、簡単
お友達の家に着いたらまずはこの子を起こしてあげる・・・・起きる様子無し
先にご飯の準備とお風呂に準備を済ませることにする・・・・まだ起きない
寝ている間に体を磨いてあげる・・・・これでも起きないのでご飯は冷めちゃった
もう遅いから帰らないと、じゃあこの子をよろしくね
「おやすみなさい、ワンちゃん、舞ちゃん」



そして出合って



目が覚めたら知らないところ、
暖かいベッドときれいな服・・・あとおいしそうな匂い
「ここ・・・どこ?」
つぶやいて気が付く、人の匂い・・・今いるのは一人みたい
「*、*********?***・・・*****?」
また分からない言葉、この人は望のようなことはできないのかな?
まぁいいや、まずはご飯にしよう・・食べてもいいんだよね

ちゃんとした食べ物を久しぶりに食べたら望の顔が浮かんだ
望の作るご飯はおいしかった、また食べたいな・・・・・
「望、会いたいな・・・」


私、湯上谷舞は寝ていない
親友・・・ミナが連れてきた人狼・・・ダークロアの様子を一晩中見ていた
ミナは昔人魚と友達だったからなれてるのかもしれないけど
私は無理、敵であるダークロアが隣に寝てるって思うとゆっくり寝られなくって
ミナに泣かれたら困るから追い出すわけにもいかないし・・・
まぁ弱ってる小さい女の子を追い出すなんてこと私もできないけれど
「・・・・・・・?」
あれ?ちょっと目を離したうちに起きたのかな?
何かしゃべってたみたい
「あ、起きてだいじょうぶ?えっと・・・ご飯食べる?」
反応が無い・・・と思ったらちゃんと食事のほうに歩いていった、なんだか疲れる
返事くらいしてくれてもいいのに・・・もしかして私が警戒してることに気が付いてのことかな?
せっかくの土曜日なんだから休みたいのに変に疲れちゃって・・・ミナ早く来ないかな・・・

この人狼はおいしそうに昨日用意していた食事を食べてる、あんなにおいしそうに食べるとちょっと嬉しい
なんだか私もお腹空いてきちゃったな・・・朝ごはんまだだしね
とそんなことを考えてたら声が聞こえた
「望、*****・・・」
人の名前?と聞きなれない言葉・・・もしかして言葉が通じてなかったりする?
まさかね・・・ちゃんとご飯食べに来たし


あれから毎日フェンリルを探していた
嫌っていた能力を、フェンリルと会話するために使っていた能力を使って
人の心に入りフェンリルの事を知っているかどうかを探す
そこから得た情報で探索位置を移動する
時間も体力も使う探し方だがこれしか方法はない
フェンリルは目立つから目を引き記憶にある人間は比較的多かった
そして寝食を削って捜索を続けて数日後
私はどこか知ってるような街に着いた・・・
知っていても知らなくてもどうでもいいこと
重要なのはフェンリルがいるかどうか、それだけ
そしてまた探し始めた

なんだかすごい人を見つけた、朝街中であんな格好をしている人はほかにいない
まずはその子の心を読んでみることにした

あ、本当に魔女・・・WIZ-DOMなんだ
ちゃんとした壁を張っていたからすぐに分かった、この壁ならなかなか気が付かれにくいだろう
でも私のテレパスにはこの程度の壁も意味は成さない、簡単に入っていける

すぐに見つかったこの子が連れて行ったみたい
WIZ-DOMのところに連れて行かれるなんて心配だけど・・・まずは冷静に情報を収集
あれは・・・E.G.O.・・・たしか見たときある・・・写真だったかな
そうだ、たしかWIZ-DOMの子と一緒にいるって・・・と言うことはこの子がそうなんだよね?

似たような状況・・・話せば分かってくれそう
それならば迷う必要なんてない、すぐにでも話してフェンリルのところに行こう
「あの・・・人の姿をした犬・・・犬の耳を生やした女の子知りませんか?」


今日も寝坊しちゃった・・・
今日はおやすみだけど舞ちゃんのところに可愛いワンちゃんがいるから早く起きたかったのに
と思ってちょっと走ったけどよく考えればワンちゃんはいなくなるわけじゃないし遅刻したって問題ない
だから今はゆっくり歩いてる、もうそろそろ舞ちゃんのお家だね
なんて思ってたら、突然同じくらいの年の女の子に呼び止められる
「あの・・・人の姿をした犬・・・犬の耳を生やした女の子知りませんか?」
あの子のことだ・・・飼い主かな?
ちょっと惜しいけど仕方ないよね
それじゃあ一緒に舞ちゃんのところに行こっか


少しだけ懐かしい匂いが入ってきた
少しだけ、少しだけなのにすごく懐かしい
迷惑をかけるのに、望に迷惑をかけるのに望みを求めている
それが本当の心、フェンリルの心・・・偽ることのできない心
そして望は心を感じ取る、全部知られてる・・・それが恥ずかしくて・・・嬉しい

フェンリルの今の一番は望
望といっしょならだいじょうぶ、淋しくないし言葉が通じなくても平気
もう望に迷惑がかかったって知らない、フェンリルが一緒にいたいから一緒にいる


テレパシスト・・・それはE.G.O.でも3本の指に入るほどの能力者
それと同等の人とはよく一緒にいるとはいえ緊張してしまう
特に私は少しだけ微妙な立場にいるのだ、そんな私の前にE.G.O.の偉い?人が来たんだから緊張しないほうがおかしい
でも・・・あれ?話を聞いていると少し引っかかる
ううん、少しじゃない・・・そう、私たちの少し前の状況と似てるんだ
私たちは一緒にいることを許されたけど望さんたちはそれを許されなかったから

応援してあげたいんだけど・・・やっぱり私の立場じゃあ難しいよね
下っ端で特例でいろいろ許可されてる身なんだから


やっぱり仲がいいっていいことだよね
舞ちゃんのお家の扉を開けた瞬間・・・隣にはだれもいなかった
ワンちゃんが寝てるはずの部屋に行ってみたらワンちゃんは抱きしめられていた
苦しそうに、だけどすごく嬉しそうな顔
それをみて思うのは戦いのこと
戦いなんかがあるから別れなくちゃいけなくなる、そのつらさは良く分かってる
どうして戦わなくちゃいけないんだろう?

どうしたら戦いを終わらせることができるんだろう?


なんて偶然
光ちゃんから聞いたことがあった、E.G.O.とWIZ-DOMで一緒にいる子
偶然その子達に会えたことは私に勇気を与える
私たちも一緒にいられるかもしれない
舞さんはミナさんを守るに戦ったって聞いた
私も戦わなくちゃいけない、もちろん力で戦うんじゃない・・・もっと別の戦い
フェンリルも一緒にいたがってる、そしてそれをかなえられるのは他でもない私だけ

だから私は戦う
具体的に何と戦えばいいかは分からないけどフェンリルを守るために
フェンリルとの障害になるものと戦って護り抜く



「今日はどうするんですか?もう遅いですけど・・・よかったら泊まって行きますか?」
「いいんですか?今日泊まるホテルも決まってなかったから渡りに船ですが・・・」
「それじゃああたしも泊まっていっていい?明日は日曜日なんだし朝までお話しよう」
「え、ミナも泊まるの?それじゃあベッドはどうしようかなぁ・・・」
「よかったら私にお夕飯を作らせてくれませんか、フェンリルも食べたがってるようなので」


そんなこんなで決まったお泊り会
4人でおしゃべりして・・・フェンリルは望さんが通訳しました
そして結局ベッドは両親の部屋のベッドを使うことになった・・・2人で一つだ
なんだかすごく恥ずかしい・・・望さんはなれてるみたいでミナは気にしないみたい
なんだか一人顔を赤くしてるのはよけいに恥ずかしいのですぐにベッドにもぐりこんだ



こうしていろいろあった二日間は終わった
明日はどんなことがあるだろう?
明日は日曜日きっと面白いことが待っている
そしてそれより先にも幸せが待っていますように・・・

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