私のハタヤマスリッパSS
履かれたくて
| 我はスリッパだ、自分で言うのもなんだがなかなか高級なスリッパだ 我の姿はとある獣の姿を模したらしい、自身では姿を確認することができぬがなかなかに獰猛な姿なのだろうか? そして我の写し身はゲームに出演していたらしい、履いていたのは女の子・・・うらやましい限りだ そう、我は男、そして今はトラックの中 これから我を買った男の家に運ばれるらしい まぁ高級なスリッパである我を買った男だ、それなりには金持ちなのであろう さすがに衛生面に問題があって臭う足に履かれるのは勘弁だ そうだ、我には仲間がいた 隣には我と同じ姿のスリッパがいる、どうやら主人となる男は2足買ったらしい 2足ということは伴侶もちなのだろうか?それとも客用か? うむ、いい感じに想像と期待が膨らんできた・・・おや?もう着いたのか 今、金の受け渡しが行われているらしい、これで正式に主人のものとなるのか そしてすぐに我はダンボールの中から出た・・・しかしだ 何だこの部屋の汚さは、そして狭さは・・・どうも金持ちと言う想像は間違いだったらしい しかし物はあふれそれなりには衛生面も気にしているらしいことから貧乏でもないらしい どうやら伴侶はいなさそうだ、ならば客用として2足買ったのか・・・どちらが客用となるのか おや、仲間が手に取られた、どうも見る目が無いようだなこの主人は しばらく眺めた後・・・置いた、そして我を手に取る・・・しばらく眺められる・・・置かれた? そしてまた眺められる・・・目を離される・・・待て、このまま放置するのか? ビニールの中から出してもらってすらいないぞ、履かない気なのか! 我は何だ?スリッパだぞ、履かれる為に作られたのだぞ、それなのに履かないのか お前は何のために我を買ったのだ?眺めるためだけなのか? と言うかこのビニールの中はけっこう息苦しいのだぞ、いや、呼吸はしていないが気持ちがだ クソ、我はしゃべることができないから気持ちを伝えることができん ああ、我はこれからどうなるのだ?このまま一生を終えるのか? ここについてから数日がたった、それから我のことを考えていた 何のためにスリッパとして生まれてきたか分からん、これならにおう足に履かれた方がましと言うものだ せめて仲間と話すことができたら少しは気がまぎれたかもしれないが、無理なことを望んでも仕方が無いか 今、履かれないのはなにか理由があると考えなければやっていけん どうやら今は暑いらしく我はなかなかに毛深い、これはなかなか考えられる理由なのではないだろうか? 主人のパソコンを盗み見していると我の仲間がその理由で履かれない物もいるらしい いや、そのとき我の姿を初めて知ったのだが・・・獰猛とはかけ離れているようだ・・・ まぁそれはともかく・・・仲間がかなりひどい扱いを受けていると知ったのもそのときだ ボールにされたり花火を・・・なんと恐ろしい、履かれなくても我の扱いはまだいいほうだったのだろうか? とにかく今日も眠りに付こう・・・スリッパだって眠るのだ 明日こそはちゃんと履かれることを夢見て・・・ |